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「そうだったのか!広告」Vol2 〜広告の変化〜

November 07, 2016

こんにちは!2期生の境飛翔です。

10月から始めた『そうだったのか!広告』シリーズ第2弾

今回は“時代”というところにスポットを当てて

「広告がどう変わってきたのか」、「今後どうなっていくのか」について書いていきたいと思います。

 

広告の目的の変化

先月の答え合わせから始めると

広告の原点は“カタログ”だったと言われています。(諸説あります。)

 

アメリカ開拓時代、開拓者は東側から上陸し太平洋岸側へと進んでいきました。

鉄道が敷かれ移動や輸送ができるようになり始めた頃、まだ商店などは発展しておらず、身近に商品を買える場所はありません。

そんな時代に商品を買うために一家に一冊普及していたのがシアーズのカタログでした。

今ほどスピーディーではないものの、カタログから注文して商品が届くスタイルは当時から変わっていません。

消費者が何かを買うときはそのカタログから探しますし、カタログは消費者に商品の情報を伝えていました。

先月の「広告ってなに?」の冒頭でも書いた通り、

この“商品の情報を伝えるもの”こそが広告です。

 

 

それ以降、街や都市が作られ、商品を商店で買うようになると

広告の目的が商品を見てもらうための“アピール”へと変化していきます。

複数商店がある中でいかに自身の店舗を利用してもらうか、いかに自社の商品を買ってもらうかが重要になったからこそ、選んでもらうための広告が必要になったのです。

具体例で言えば、看板やポスターなどの“商品を買う場においてアピールするツール”として広まっていきました。

 

 

さらに時が経ち、新聞が普及し始めるとその一部に商品の情報を載せ、商店へと買いに来てもらうことが目的になります。。

家や職場、移動中などに広告を見て、興味をもって商品を買いにいく。

“商品を買いに来てもらうためのツール“へと変化していきました。

 

その後技術が進歩しラジオやTVが普及し、

媒体が紙から音へ、音から映像へと変化していきましたが、

目的は同じように家で見ている、移動中聞いているといった

“その場にいない人に情報を伝えるためのツール“として進歩してきました。

 

 

長年変わらなかったこの目的が変わるきっかけになったのがインターネットの普及です。

一言で言えば広告は“消費者に合わせて情報を伝えるツール”へと変化しました。

 

この変化について、テレビCMとネット広告の比較を通してまとめていきたいと思います。

 

 

 

 

 

テレビCMとインターネット広告の違いって?

 

テレビCMとインターネット広告で最も違うことは何か。

それはターゲットを絞って発信することが容易になったことだと思います。

 

テレビCMは放送の時間帯や前後に放送している番組に合わせて投下することでターゲットを絞ってきました。

それぞれ例をあげてみてみると、

時間帯

  • 早朝は社会人や年配の方
  • 日中は家事をしている主婦
  • 夕方は学校終わりの子供 

 

番組

  • アニメの合間にはおもちゃのCM
  • お昼の情報番組の合間には日用品のCM
  • 夜のバラエティの合間には家族で利用する施設や旅行のCM

 といった具合です。

 

この両方を駆使することで見せたいターゲットが多く見ているタイミングで情報を発信しています。

 

 

 一方、ネット広告ではこのターゲティングを閲覧履歴に合わせて行うことで、より正確にターゲットへ情報を届けることができるようになりました。

閲覧履歴とはその人が過去に調べた内容や訪れたサイトの履歴です。

この履歴から消費者の興味のあるジャンル、カテゴリーを分析し、それにあった情報を発信しています。

そのためテレビCMのような大枠でのターゲティングではなく、一個人に向けた発信が可能になり、より効率良く効果的に情報が伝わります。

 

これが先ほど書いた“消費者に合わせて”という部分です。

テレビCMで行われていた大枠でのターゲティングから、

趣向に合わせたより細かいターゲティングへと変化したのです。

 

 

 

 

デジタル広告の課題と今後

このネット広告を代表とするデジタル広告は今後どうなっていくのか。

 

現在のデジタル広告の現在の課題は大きく2つあります。

  • PCに親しみのないお年寄り世代や、うまく使いこなせない子ども、PCの普及していない国などデジタル広告に触れない人々が存在すること。
  • デジタル広告に触れる環境はあっても、既存のターゲティングの枠に属さない人々が少なからず存在することです。

 

前者の触れる機会がないこと、環境に関してはハード面での取り組みが必要となります。

具体的に言えば

  • お年寄りでもわかりやすいタブレットを普及させる。
  • 世界中でPCを使える環境を整備する。

と言った具合です。

これに関しては広告としてというよりも国や地域としてデジタル化を進める必要があります。

 

そのため、広告として改善していくことができるのは

後者の“ターゲティングの枠に属さない人々”の確保だと思います。

言葉の意味だけを見れば

“条件に当てはまる人々を対象に設定すること”がターゲティングです。

年齢や性別などで区切る場合は全員が何らかのグループに属しますが、

考え方が多様化した現代では趣向などで漏れなく分類することは困難です。

 

そこで私はこれからデジタル広告が発展するためには

“フォロウィング(following)”を行う必要があると考えました。

Followという言葉には”寄り添う“というような意味があります。

 

複数の人々をまとめてくくるターゲティングではなく、

一人一人に合わせて寄り添うフォロウィングを行うことで、

まとまりから外れるといったことは無くなります。

また、今まで使ってきた共通項だけでなく、対象の人のすべてのプロフィールからアプローチすることができます。

 

一人一人に合わせて情報を動かすことは今までより負担はかかりますが、

現在では個人の検索履歴や閲覧履歴から広告を発信することが主流になりつつあるため

現在の仕組みを発展させれば実現されることもそう遠くないように感じます。

 

*人に合わせて編集された情報について

 詳しくは「キュレーションメディア #飛翔のクローズアップBUZZ」

 → http://www.kogoma-brand.com/blog/5795/ をご覧ください。

 

 

家にあった一冊のカタログが音となり、映像となり、

今では待っているだけで気になる広告が発信されるようになりました。

 

最初は誰も想像してなかったであろう変化をしてきた広告ですが、

これからどんな変化をしていくのでしょうか。

 

 

 

→NEXT

 

次回12月は「種類」にスポットを当てていきます。

広告はどんな種類があり、何が違うのか。

媒体の違い、目的の違いなど複数の視点から書いていきます。

引き続き読んでいただけると幸いです。

 

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文責:境飛翔(さかい つばさ)