トップページ > プロジェクト > 2020年の都市消費予測 未来の駅を考えるプロジェクト

ご協力企業: 株式会社ジェイアール東日本企画 駅消費研究センター 様

背景/目的

現代の都市生活では電車による移動は欠かせません。最近では電車の中で過ごす時間は単なる移動時間ではなく、その日の消費行動に大きなインスパイアを与える時間として捉えられます。
そして、駅もまた通過点ではなく消費を行う商業施設としても生活に密着しています。
Suicaや駅ナカのショップの充実は、「駅」という場所の概念を、より生活者に寄り添った新しいアイディアへと展開していきます。
近未来の2020年に向けて「駅」は、さらにどのような進化をして行くのかを考察します。

活動目的

私たちの親世代と現代では、社会/生活者/都市・技術の観点からどのような相違があるのか、どのように進化をしてきたのか、テーマ別の研究グループに分かれて調べ、その延長上に、近未来に「駅」がどのように進化していくべきか、それぞれのグループの意見を統合して私たちなりの考えを提案します。

成果のサマリー

「研究レポート」を書籍にまとめて公表しました。

本プロジェクトでは「近未来の駅の姿」を予測しました。

外部環境、内部環境の過去と現在を分析し、これからはより多様な価値観・ライフスタイルが混在する社会になると考えました。2020年以降の社会は「ありのままを最大限に生かす」がコンセプトになります。それに伴い未来の駅の機能は、典型的な形ではなく生活者のライフスタイルに合致する姿へと変化していくでしょう。

プロジェクトでは、これからスタンダードになりそうなライフスタイルをもつペルソナをいくつか設計し、それぞれに合う複数の駅の姿を描きました。

Share station
  • ①仕事をしない日の朝活は必須。安全で快適な朝を演出する。
    「この靴履くとテンションあがるなあ♪」
  • ②娘の成長を気遣って連絡をくれる産婦人科へ。主夫健太は人と密なコミュニケーションをとることに喜びを感じている。幸せを感じた出来事は妻と共有。
  • ③健康志向なので、食事は身体への優しさ×楽しさのバランスが大切。もちろん自炊。ながら行動として食べながらネットショッピング。
  • ④妻が改札を通ったとアプリ通知がきた。妻の帰宅タイミングに合わせて合理的に行動をする。
  • ⑤母に娘の面倒をみてもらっている間に妻とドライブ。自動運転車を利用。お互いの相談などをする時間は移動の中で。
  • ⑥何でもシェア思考であるから広々快適な温泉へ毎日行く
  • ⑦夜中に洗濯物を取り込めるため、家事の拘束時間が減る。
兼業主夫 佐藤 健太

「シェアステーション」
最後は主夫健太にぴったりな駅「シェアステーション」です。シェアステーションにはシェアオフィス、図書館、シェア定食屋があります。主夫健太の場合、家と仕事場の延長線上として駅を利用することが考えられます。駅で生活の大半を済ますことができるようになれば、滞在時間が長くなり、駅が町そのものになるのではないでしょうか。そのような駅と佐藤健太さんは、具体的にどのように関わるのでしょうか。

1つ目は、駅に設置されたシェアオフィスを利用することが考えられます。健太の場合は、遠出をすることが家事と育児の事情であまり好ましくないため、仕事で人とコンタクトを取るときに、駅から離れなくてもその場にある駅の貸しオフィスですぐミーティングをします。さらにそこに図書館などの資料があれば、より充実した心地よいオフィス空間になるでしょう。ここには「共有できるものは共有する」という健太の志向が反映されています。

2つ目は、シェア定食屋です。ひとりで食べるご飯に寂しさを感じることはありませんか?それを解決するのがこのシェア定食屋です。月々定額でお金を支払うことで一食あたり500円分のご飯を食べられます。コスパがいいこともさることながら、そこに行けばおなじみの仲間に会えるコミュニティとしての役割も果たします。家でも職場でもない、居心地の良い場を生活に提供します。

3つ目は、リアルタイムでの駅滞在者に対してのサービスが充実していることです。雨が降りそうなときに天気の予告をしてくれれば、ショッピング後に建物内から出たら雨が降っていてびっくり!という事態も避けられるのではないでしょうか。また、妻が帰ってくるタイミングをICカードに連動したアプリが自動で教えてくれるような環境ができれば、夕飯をつくるタイミングを計算することができムダなく行動できます。