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【連載企画】『Z世代リアルレポート』⑧「コスパ・失敗したくない意識とその背景」

March 20, 2020

 小々馬ゼミが6年間研究を受け継いできた「Z世代の価値観と消費行動レポート」今週は、「Z世代のコスパ・失敗したくない意識とその背景」に関してレポートします。

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 大学生は「コスパ意識」が強く、自分の好きなこと、こだわること、ヲタ活に時間とお金を掛けることを惜しみませんが、それ以外の出費には非常にシビアで1円、10円単位で節約します。
 例えば、移動に掛かる交通費を数十円節約するために、遠回りになっても定期圏内の路線を選んで利用します。また、スマホにゲームや動画音楽配信のアプリをインストールしていますが、課金されない範囲でしかサービスを利用しません。
 「大学生は時間としたいことがたくさんあるが、お金は十分にない」ことから、自分が好きなことにより多くのお金を掛けたいので、それ以外の出費に関してコスパを求めます「恋愛はコスパが悪い」という声もよく聞きます。「恋愛はしたいけど、毎日ずっと一緒にいると自分が好きなことができる時間が限られてしまう。デートに掛かるお金もそこそこに抑えたい。」といった感覚です。

前回のレポートでは、Z世代特有の「今この時を後悔しないように過ごしたい時間意識」について紹介しましたが、
https://www.kogoma-brand.com/blog/9724/
コスパ意識の強さは「失敗したくない・後悔したくない」という生活価値観につながり、「たくさんの情報に囲まれて生活する中で、間違いが無い選択をしたい。」という意識も強くなります。

 【時代背景】情報爆発」以降に生まれたZ世代は、物心ついた頃から膨大な情報の中で生活している。

下の図は「世界に流通する情報量の推移」を示しており、2000年以降に情報爆発が起こり情報量が一気に増大したことがわかります。Z世代はこの時期に重なるように生まれ育っており、幼い頃から膨大な情報に囲まれて生活しています。そのことは、情報に惑わされて失敗したくないという意識を高めて、自分が信頼できる情報源を求める行動を増長したのではないか考えます。

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ヤンケロピッチパートナーズの調査によると、私たちが1日当たりに目にする企業からのマーケティングメッセージは、1970年代には500件程度だったのと比較して、2004年には10倍の5000件に。現在は1万件にのぼるそうです。ミレニアル 世代より上の世代に、その実感が少ないのは、消化できない情報の大半を無意識のうちにやり過ごしている(やり過ごすことができる)からともレポートしています。

【消費志向の特徴】
 Z世代の特徴として「新製品よりも定番商品が安心」という意識があります。膨大な情報の中で確かな選択をするためには、初めて見る商品よりも、買い慣れた商品の方が失敗しない・後悔しない。からです。
 企業が考えている程に、ユニークな商品、目新しい商品を探していません。企業目線で定義された「差別化や新奇性」には「失敗するかも・・・」というリスクを感じてしまい選択肢から外れてしまうことがあります。
 では、どんな商品にときめくのか?大学内で意見を聞いてみると「それ絶対に美味しいやつ!神じゃん。」と思える商品でした。例えば、飲み慣れているコーヒーブランド(ボス・クラフト)から、発売された「ミルクティー味」の連想は、
信頼(なじみ)のブランド ✖︎ 王道の味 = 絶対失敗しない神!
となります。また、コンビニの売り場で、紅茶花伝から新発売されたロイヤルミルクティーを見つけた時に「これ、絶対に美味しい!買い!!」とときめきます。
ちなみに、ガリガリ君のミルクティー味は、美味しい味を連想しにくく「微妙!?」となります。

図1

【情報処理はより直観的に!】

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 Z世代は、膨大な情報量の中で生活する術として「直観的に情報を処理している」と考えます。受け取る情報の一つひとつを理解・解釈するのは脳の負荷が大きいので、より感覚的に「心地良さ」を大切にします。スマホのスクリーンに次々に出現する画像のコラージュをコンマ秒でスクロールし、自分にあった情報を瞬時に見つけるZ世代は、直観で(秒で)ものごとを判断しています。
 TVCFは最初の数秒で自分の感性にあっていないと判定する情報はスルーしてしまいます。また、マーケッターやコピーライターが意味を込めた暗喩的なメッセージを解釈することをしませんので、ひねりを入れたコピーよりも「北海道の美味しい牛乳からつくったロイヤルミルクティー」のような明快な説明の方が直観に伝わります。

 また、後悔しない選択のためには心地良い感覚だけでなく、「失敗しない安心感」も必要なので、受け取る情報が、自分が今までに見たことがある感覚(スキーマ)につながらないとスルーします。だから「直感」ではなく「直観」に伝えることが重要です。この特徴的な情報処理メカニズムは、化粧品や服の情報の届け方やクリエイティブの手法など新しいマーケティングのあり方に関わりますので、本年度の研究テーマとして引き続き探求していきます。

次回は、今回に続き「失敗したくない・後悔したくない・直観による消費行動」に関して深堀りします。お楽しみに!

【Z世代リアルレポート報告会 実施のお知らせ】

小々馬ゼミでは、「Z世代の価値観と消費行動研究」を企業の実務家の方々にご活用いただきたいと願っております。ご要望をいただけば、企業様のオフィスを訪問させていただき学生による20-30分程度の報告プレゼンテーションとディスカッションの機会を持たせていただきます。費用は掛かりませんのでお気軽に下記までお問い合わせください。

brand-m@mi.sanno.ac.jp