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[Hot Safari] グリーンブランディング? “コカ・コーラ ライフ”新発売 

April 15, 2015

みなさんこんにちは。小々馬ゼミ3年の下田と申します。
私は今回、ホットな話題を掘り下げる「Hot Safari」として日本コカ・コーラ株式会社について書かせて頂きます。
最近コカ・コーラからグリーンラベルの新しいコカ・コーラが発売されたことをご存知でしょうか。

コカ・コーラ ライフ
商品名は「コカ・コーラライフ」。2015年3月9日(月)に全国発売されました。この商品はコカ・コーラブランドの何を引き継ぎ、何が入れ替わっているのか。ブランドのライン拡張効果やその難しさなどについて書いていきます。

「自然派志向、健康志向なあなたに」
カゴメ ムース
 コカ・コーラシステムは「大人になって、ヨガやグリーンスムージーを愛飲するなど、自然派志向な大人が増えている」
そんな背景からコカ・コーラライフを開発したという。そしてアルゼンチン、チリ、イギリス、スウェーデン、アメリカ、メキシコ、フランスなどの各国で大きな支持を得て、今回、日本にも導入したようです。
そういえば最近、”オーガニック”という言葉をよく聞いたり、カゴメが自分で作るスムージーのCMをやっていたりしたのは、このような生活をする大人が増えていることを背景としているのかもしれません。
そしてついにコカ・コーラも自然派志向市場に踏み入れたことに驚きました。

「コカ・コーラコンセプトの何を引き継ぎ、何を入れ替えたのだろう」
コーラキャンペーン
 まず、「コカ・コーラのコンセプトとは何か?」を、小々馬先生の資料を元に分析しました。

「コーラは型に縛られず、自由に楽しく毎日をポジティブに過ごす人々のカラダとココロにハピネスと爽快感、リフレッシュメントを提供する」。そして、キャンペーンごとにコンセプトが加わっていきます。現在行われているキャンペーンでは、コカ・コーラボトル100周年記念として「これからもサイコー!の瞬間とともに」というキャンペーンを行っています。
そんなコカ・コーラの何をコカ・コーラライフは引き継いでいるのか。
それは「味」と「楽しさ」この2点を引き継いでいると思います。「味」は植物由来の甘味料を用いてコカ・コーラらしいおいしさをカロリーオフで実現しています。自然派・健康志向の人たちにもコカ・コーラを飲んだ時と同じような爽快感、ハピネス(楽しさ)を提供できる。そんなところを引き継いでいると思います。一方で、入れ替わっているところもあります。それはコカ・コーラと違い、オールターゲットから、「自然派・健康志向の大人」というターゲット層にフォーカスしているところだと思います。

「ブランドのライン拡張の効果や難しさ」
コーラ、ゼロ、ライフ

 コカ・コーラブランドがライン拡張することで得られる効果は2点あります。

1つ目に「ニーズに適した製品を提供できる」2つ目に「選択肢の提供」の2点です。時代が移り変わり顧客のニーズは常に変化し、十人十色な顧客から今では一人十色以上になっている世の中だから、常に顧客のニーズに合わせて商品ラインを拡張できる企業は強いと思います。一方難しさもあります。コカ・コーラゼロとライフは、どちらも健康志向な顧客をターゲットにした商品ですので、自社の商品で顧客の取り合いになる危険性もあります。

コカ・コーラTMグループ統括部長アドリアーノ・トレス氏は「日本人の28%は炭酸飲料を飲んでいない。つまり、まだ炭酸を飲んでもらえる余地がある」と述べています。日本人の総人口は1.27億人。その28%は3,556万人です。この3,556万人というパイに果たしてどれだけの人がコカ・コーラライフを手に取るのでしょう。自然派志向で健康志向な人がどれだけ炭酸飲料に手を伸ばすのか。健康を気にしていてコカ・コーラが飲みたいと思う消費者はコカ・コーラゼロや特保コーラを手にするのではないだろうか。そもそも、コカ・コーラを手にする時点で健康志向のレベルはあまり高くないのではないか……。などと考えてしまいます。

健康志向で、自然派志向の消費者に手にとってもらえる。そんな商品になるにはマーケティングコミュニケーション活動により商品が提供する生活価値に関する理解の向上が必要だと思いました。

文責:下田大樹