11月26日(火)
ブランド戦略研究所主催
「顧客体験(CX)の構築とマーケティング・流通、ブランド戦略」に登壇しました。
https://www.brand-si.com/page2.html
関西大学 陶山計介 先生
電通アイソバー 取締役 田中信哉 氏
店舗のICT研究所 理事 郡司 昇 氏
とご一緒させていただきました。
私の講演内容は下記の通りです。
1.新たな時代に適応するブランディングの進化
企業ブランディングの範囲は混沌。目的・期待効果も多様で企業ブランディングの原理は経済付加価値・超過利益を高めるものであったが、GAFAなどプラットフォーマーが台頭。不確実性の高い社会において、ESG経営などが主流となり、企業の命題は事業の存続(ゴーイングコンサーン)から、持続社会への貢献(サスティナブル)へと、貨幣による価値評価から社会的存在価値へとパラダイムシフトしている。
2. 新たな時代に適応するマーケティングの進化
・人口ボーナス、経済成長を前提とする旧モデルが効かなくなってきた。規模の経済、薄利多売・STP・購買ファネル・差別化などの概念が合わなくなってきた。現在の市場形成は、商品との出会いから始まり, ”ときめく想い”に同調するヒトが、ブドウの房(クラスター)のようにつながっていき拡張形成される時代。
価値は自分で決めたくて押し付けられたくない。エッジの効いたブランドコンセプトはスルーされてしまう。普遍的なメッセージの方が共感が生まれる。
3.Z世代の想いは, 「ずっと、ときめいていたい!」
・膨大な情報量の中で、脳の負荷を抑えるべく ヒトの行動はより直感的になっていく。スマホを脳機能の代用として情報処理を簡易化している。
・不確実な世の中では「将来の幸せな姿」よりも「今、感じる幸福感」が求められる。最近の広告は、「あるべき姿になれる!」でなく「自分らしくありたい!」というメッセージに変化してきている。
・Z世代の幸せの想いは, 「ずっと、ときめいていたい!」ということ。市場の中での価値交換よりも「想い」でつながることが幸せ。故に、これからのマーケティングは市場経済の外、 “人間社会”へと範囲が拡っていく。マーケティングの進化は、1.0製品中心→2.0消費者中心→3.0顧客中心、価値主導→人間中心へ。
3.新たな時代に適応するCXの進化
・DBマーケティング進化を背景に、顧客体験のシナリオ開発・デザインが始まった。
2015-18:ビックデータ分析が可能となり、時系列・場所など, より詳細に状況を描けるようになった。
・企業の“売ろうかな”のエゴ思考で設計された顧客体験は、生活者にとっては,“落とし穴・罠を仕掛けられるような感覚”。自分を狙っていることがわかる情報は “うざい!”と嫌われる。
だからこそ、CXデザイン=人間の行動をデザインするプランナーは、人間中心の想いでモラルを持ち“直感的なときめき” を提案して欲しい。
熱の入った質疑応答セッションもあり、たいへん愉しく有意義なフォーラムでした。お誘いいただきましたブランド戦略研究所の皆様、陶山先生。誠にありがとうございました。
小々馬 敦